STORY

　最高気温が３０度を越す日も増え、ジメジメした季節がやってきた。

ゴールデンウィークが終わってから、娘は部活動に、夫と私は仕事に、忙しくなった。なんだかみんなお疲れ気味。正直、ちょっと会話も減っている気がする。

今日は急遽、職場でお休みの人が出てしまい、サポートへ。いつもより遅い退勤となった。急いで夕飯をつくらないと。冷蔵庫にあるもので、何かつくれただろうか。炒め物をするほどの元気も食欲もない。かといって煮物をしていたらふたりを待たせてしまう。悩んでいるうちに家族も帰ってきてしまった。おっと、これは急がなければ。

冷蔵庫の野菜室を見ながら、考えを巡らす。そうだ、今日はアレにしよう。サッと作れて、野菜もたっぷり食べられる、サラダ豆乳うどんだ。

カイワレと、レタスは切るだけ。うどんを茹でるお湯を沸かす間に、タレづくりだ。火を使わずにできちゃう。なんて簡単なのだろう。まるで今日の私のためにあるようなレシピじゃないか。うどんが茹で上がれば、冷水で締めて。野菜とタレを乗せればあっという間に完成だ。

簡単にできる豆乳サラダうどんだが、味ももちろんいい感じ。豆乳のコクが効いたタレが、うどんにしっかり絡まって。シャキっと冷たいうどんが疲れた身体をクールダウンしてくれる一方、野菜がたくさん摂れて栄養面も満足だ。夫も娘も、残さず完食してくれた。

「なんか久しぶりに食欲出てきちゃったな。もう１杯くらい食べられそうかも」

娘の感想に、それは言いすぎでしょ、なんて笑い声が響く食卓。おいしい料理は、こうやって家族を元気にしてくれる。疲れやすい季節こそ、しっかりと栄養をとらないとね。