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STORY

 だんだんと朝の寒さが厳しくなって、それにつれて私たち夫婦の朝も遅くなる。元々朝が苦手なのに、寒いといっそう布団から外に出ることができない。先日は、ふたり揃って朝の会議に遅刻ギリギリだったほどだ。

あまりにも起きられないので、一緒に対策を考えた。朝ごはんに好きなものを買っておくルールだ。平日も休日も、ルールは適用。好きなものがあると思えば、ウキウキで布団から出られるだろうと考えたのだ。

そんなわけで今、私の手の中にあるのは、明日の朝ごはん用のシュトーレン。クリスマスシーズンだけのとっておきを、商店街のパン屋さんで買うことができた。

ついでにスーパーに寄って、お買い物。豆乳と、果物と……といつもどおりの買い物をしていると、横で夫が、見慣れないもの指差している。

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「水で割るだけでコーヒーになるんだって」

うちにはたくさんコーヒー豆があると指摘したものの、夫からすれば、それはそれ、という感覚らしい。朝はラクな方がいいじゃん、という言葉に、すんなり納得してしまった。まあ、それもそうだね。

翌朝は、驚くほどスッキリと目覚めることができた。シュトーレンが待っていると思うと、朝の眠気も吹き飛ぶ。キビキビと顔を洗い、身支度をしていると夫も起きてくる。

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 休日の朝らしく、優しい時間を楽しみたいから、今日はソイラテに。夫が選んだものと、私の好きなものを混ぜて温める。豆乳ならではの香りや濃厚さが、二人の朝の時間をより温かく、贅沢にしてくれる気がする。

食卓についたら、音楽なんかもかけちゃって、いい感じな日曜日の朝ごはん。ソイラテのおいしさと、ずっしりと甘いシュトーレン、合うなぁ。夫もマグカップを両手で包むように持って、ご満悦だ。

「ほら、おいしかったでしょ」

おかげさまで、と笑いながら、シュトーレンをもう一口。気分は、そろそろクリスマスだ。

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ホットソイラテ 寒い日の、朝の楽しみ

fin.

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